大腸がんを促進するとされるprostaglandin E2(PGE2)は、E型プロスタノイド(EP)受容体サブタイプ1(EP1)からサブタイプ4(EP4)に結合する。本研究により、実際のヒト大腸がん組織にはEP受容体高発現クラスターが存在することが明らかとなり、この内EP3受容体高発現クラスターは転移性がんである可能性が明らかとなった。一方EP4受容体の刺激は、細胞内代謝の変化や免疫抑制因子の発現誘導などを引き起こし、がんの発生に関与する可能性が考えられた。さらに、EP4受容体とEP2受容体の活性比較により、受容体刺激時に活性化する細胞内シグナル系が明確に異なることも明らかとした。
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