研究課題/領域番号 |
19K16387
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
外川内 亜美 久留米大学, 医学部, 助教 (60809177)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 終末糖化産物受容体 / DNAアプタマー / 2型糖尿病 |
研究実績の概要 |
糖尿病や加齢に伴い,生体内に蓄積する終末糖化産物 (Advanced Glycation End Products, 以下AGE) は,糖尿病合併症の発症,増悪の原因と考えられている。AGEは細胞表面受容体(Receptor for AGE, 以下RAGE) を介して,病的シグナルを伝達し,酸化ストレスや炎症などを亢進する。我々はこれまでに,動物モデルにおいて,AGEに結合するDNAアプタマーによるAGEの阻害が糖尿病合併症を改善しうることを示してきた。また,RAGEはAGE以外にいくつかの炎症性メディエーターと結合し,臓器障害を惹起させることから,RAGEを阻害できればAGEを阻害した以上に糖尿病合併症を改善できることが予想される。 本研究では,RAGEに特異的に結合することで,RAGEの情報伝達を阻害するRAGEアプタマーを肥満2型糖尿病モデルマウスに投与し,インスリン抵抗性,脂肪組織のリモデリング,腎障害の進展などが阻止できるか検討を行う。本研究により,RAGEアプタマーの有効性が検証されれば,当該アプタマーの糖尿病合併症治療薬への応用も期待できる。 本年度は,8週齢の2型糖尿病マウス(KK-Ay/Ta)と非糖尿病コントロールマウス(C57BL/6J)の腹腔内にRAGEアプタマーあるいはコントロールアプタマーを浸透圧ポンプを用いて, 4週間または8週間持続投与した。1週間ごとに体重の変化,2週間ごとに空腹時・随時血糖,4週間ごとに血圧を測定し,採尿を行った。4週間および8週間の実験を経て,イソフルランおよびペントバルビタール酸Na麻酔下で全血,腎臓,脂肪,肝臓,大動脈などの組織を回収した。8週齢の未投与マウスについても同様に組織を回収した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当研究室が持ち合わせている過去の組織染色やELISAの条件が適用できず,解析の条件検討に時間がかかっているため。
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今後の研究の推進方策 |
回収した尿,血液,腎組織や脂肪組織におけるアプタマーの効果を組織免疫染色法やELISA法,リアルタイムPCR法,イムノブロット法を用いて解析,検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
組織の解析予定が遅れたため。その分の予算は次年度に使用予定。
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