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2020 年度 実績報告書

RAGEアプタマーによる心血管代謝病の制御-動物モデルにおける検討

研究課題

研究課題/領域番号 19K16387
研究機関久留米大学

研究代表者

外川内 亜美  久留米大学, 医学部, 助教 (60809177)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2021-03-31
キーワード終末糖化産物受容体 / 2型糖尿病 / アプタマー
研究実績の概要

糖尿病や加齢に伴い,生体内に蓄積する終末糖化産物 (Advanced Glycation End Products, 以下AGE) は,糖尿病合併症の発症,増悪の原因と考えられている。AGEは細胞表面受容体(Receptor for AGE, 以下RAGE) を介して,病的シグナルを伝達し,酸化ストレスや炎症などを亢進する。我々はこれまでに,動物モデルにおいて,AGEに結合するDNAアプタマーによるAGEの阻害が糖尿病合併症を改善しうることを示してきた。また,RAGEはAGE以外にいくつかの炎症性メディエーターと結合し,臓器障害を惹起させることから,RAGEを阻害できればAGEを阻害した以上に糖尿病合併症を改善できることが予想される。
本研究は,RAGEに特異的に結合することで,RAGEの情報伝達を阻害するRAGEアプタマーあるいは対照としてコントロールアプタマーを8週齢の2型糖尿病マウス (KK-Ay/Ta) に4週間または8週間持続投与し,インスリン抵抗性,脂肪組織のリモデリング,腎障害の進展などが阻止できるか検討するため,尿,血液,腎臓,脂肪組織の解析を行なった。
その結果,RAGEアプタマー投与により,糖尿病の進行に伴い増加するHOMA-IR(インスリン抵抗性の指標)および尿中NAG活性(腎障害のマーカー),腎臓におけるAGEの蓄積とRAGEの発現,活性酸素種を産生するNADPHオキシダーゼ活性,糸球体および間質の拡大がいずれも抑制した。さらに糖尿病に伴う脂肪組織のアディポネクチン発現抑制がRAGEアプタマーにより改善した。
今回得られた結果より,RAGEアプタマーはAGE-RAGE-酸化ストレス系を抑制し,インスリン抵抗性を改善することで,2型糖尿病マウスの尿細管損傷を抑制できることが示唆された。RAGEアプタマーは新規の2型糖尿病改善薬となりうるかもしれない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] DNA aptamer raised against receptor for advanced glycation end products suppresses renal tubular damage and improves insulin resistance in diabetic mice2021

    • 著者名/発表者名
      Sotokawauchi Ami、Matsui Takanori、Higashimoto Yuichiro、Nishino Yuri、Koga Yoshinori、Yagi Minoru、Yamagishi Sho-ichi
    • 雑誌名

      Diabetes and Vascular Disease Research

      巻: 18 ページ: -

    • DOI

      10.1177/1479164121990533

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 終末糖化産物受容体RAGEを阻害するDNAアプタマーは,2型糖尿病マウスのインスリン抵抗性および腎尿細管障害を改善する2021

    • 著者名/発表者名
      外川内亜美,松井孝憲,西野友梨,東元祐一郎,山岸昌一
    • 学会等名
      第64回 日本糖尿病学会年次学術集会
  • [学会発表] 終末糖化産物受容体の阻害は2型糖尿病マウスのインスリン抵抗性および腎尿細管障害を改善する2021

    • 著者名/発表者名
      外川内亜美,松井孝憲,西野友梨,東元祐一郎,山岸昌一
    • 学会等名
      第21回日本抗加齢医学会総会

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公開日: 2021-12-27  

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