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2020 年度 実施状況報告書

心不全改善作用を持つ天然物ノビレチンの作用機序の解明及び心不全治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 19K16396
研究機関静岡県立大学

研究代表者

砂川 陽一  静岡県立大学, 薬学部, 助教 (30466297)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード心肥大 / ノビレチン / p300 / GATA4
研究実績の概要

心臓は、様々なストレスが持続的に加わることで、最終的に心機能の低下した心不全へと至る。心不全の進行には心筋細胞の肥大が関与することから、この心筋細胞肥大を抑制することが心不全の予防や治療につながると期待されている。我々は、心筋細胞肥大を指標に天然抽出物ライブラリーからスクリーニングを行い、柑橘類果皮成分であるノビレチンが心筋細胞肥大を抑制し、心不全の進行を抑制することを見出した。本研究はノビレチンの心筋細胞肥大、心不全進行抑制作用のメカニズム解析を目的とした。
ノビレチン結合因子であるNBP1の作用機序を解析するため、HEK293T細胞にp300/GATA4とともにNBP1を過剰発現させた。その結果、p300/GATA4によって増加する心肥大反応因子ANF、ET-1のプロモーター活性を有意に抑制した。そして、p300によって増加するGATA4のアセチル化を有意に抑制した。
NBP1によりGATA4のアセチル化抑制されたことから、p300のヒストンアセチル化活性をNBP1が調節しているのではないかと考え、リコンビナントタンパク質を用いた結合アッセイを行った。その結果、NBP1はp300のRINGドメインと結合していることを見出した。HEK293T細胞での検討の結果、NBP1はp300の自己アセチル化能を減少させた。この結果より、NBP1がp300-HAT活性の制御を介して心肥大応答を抑制している可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

遺伝子組み換えマウスでの検討を既に終え、作用機序の一端を解明した。

今後の研究の推進方策

引き続きNBP1による核内シグナル伝達経路の制御機構の解明を行う。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021 2020

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] Nobiletin Binding Protein 1 is Required to Exhibit Therapeutic Potency of Nobiletin for Heart Failure through inhibition of p300 activity2021

    • 著者名/発表者名
      砂川陽一
    • 学会等名
      第85回日本循環器学会学術集会
  • [学会発表] 新規Nobiletin標的因子であるNBP1はp300の翻訳後修飾を介して心筋細胞肥大を抑制した2020

    • 著者名/発表者名
      高井秀通、砂川陽一、内藤汐美、長谷川浩二、森本達也
    • 学会等名
      第143回 日本薬理学会関東部会
  • [学会発表] ノビレチン結合因子であるNBP1はノビレチンの心不全進展抑制作用の発揮に必要である2020

    • 著者名/発表者名
      高井秀通、砂川陽一、内藤汐美、長谷川浩二、森本達也
    • 学会等名
      第4回ノビレチン研究会
  • [学会発表] 新規Nobiletin標的因子 (NBP1) はp300/GATA4経路を介して心筋細胞肥大を抑制する2020

    • 著者名/発表者名
      江部綾香、砂川陽一、内藤汐美、長谷川浩二、森本達也
    • 学会等名
      日本薬学会第139回年会

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公開日: 2021-12-27  

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