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2019 年度 実施状況報告書

遺伝子多型と臨床検査を融合させた新規指標に基づく抗PD1抗体薬の効果予測法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K16414
研究機関徳島大学

研究代表者

岡田 直人  徳島大学, 病院, 薬剤師 (30623269)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード免疫チェックポイント阻害薬 / 免疫関連有害事象
研究実績の概要

本年度は、前向き臨床研究の準備を進めつつ、免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の致死的有害事象である間質性肺炎に焦点を当て、臨床検査と間質性肺炎発現や治療効果との関連を解析した。
2016年4月から2019年12月までに徳島大学病院においてICIを初めて投与し、ICI治療が終了した肺がん患者102名を対象とした。ICI関連間質性肺炎(ICI-ILD)はICIの投与中又は投与後に急性発症し、血清学的検査や画像検査に基づき診断された抗菌薬不応の肺疾患と定義した。ICI-ILDのgrade(G)評価はCTCAE v5.0を用いた。治療成功期間はICI治療開始からICI治療終了、原病の増悪、死亡までのいずれかの期間とした。
解析の結果、ICI-ILD発症患者は19名であり、G3以上のICI-ILD発症患者は10名であった。G3以上のICI-ILD発現患者群のICI投与後30日死亡率は30%であり、他の患者群より有意に高く(p<0.01)、治療成功期間も有意に短かった(p<0.05)。多変量解析の結果、ICI-ILD発現リスク因子として、Performance Status(PS)≧2、Brinkman指数(BI)≧1000が同定され、G3以上のICI-ILD発現リスク因子としてPS≧2が同定された。
本研究により、致死的有害事象であり治療効果を減弱するICI-ILDの発現リスク因子として、PS≧2、BI≧1000が同定された。これら臨床検査のデータと、これから解析する遺伝子多型の情報を融合させることで、予測精度がより高い効果予測および有害事象発現予測アルゴリズムの構築が期待できる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまでの解析により、致死的有害事象であり予測因子が同定されていなかった、免疫チェックポイント阻害薬関連間質性肺炎のリスク因子を、臨床検査の側面から明らかにすることができた。免疫チェックポイント阻害薬関連間質性肺炎は予後を悪化させる有害事象であり、本研究よって構築される発現予測アルゴリズムは、免疫チェックポイント阻害薬の効果判定に有用であると考えられる。今後は、更なるデータを追加した多面的なアルゴリズムを構築することで、免疫チェックポイント阻害薬の治療効果予測アルゴリズムの構築を目指す。

今後の研究の推進方策

現在は前向き臨床研究の準備を進めており、今年度からの開始を目指す。さらに、免疫チェックポイント阻害薬の治療効果や有害事象に関与する更なる因子について、臨床検査の面から解析を進めていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

【理由】3月に納品となり、支払いが完了していないため。
【計画】4月に支払いが完了する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Factors Associated With Immune Checkpoint Inhibitor?Related Myocarditis2019

    • 著者名/発表者名
      Zamami Yoshito、Niimura Takahiro、Okada Naoto、Koyama Toshihiro、Fukushima Keijo、Izawa-Ishizawa Yuki、Ishizawa Keisuke
    • 雑誌名

      JAMA Oncology

      巻: 5 ページ: 1635~1635

    • DOI

      10.1001/jamaoncol.2019.3113

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2021-01-27  

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