水溶性ビタミンは、その物理化学的な性質(高水溶性)から、単純拡散による小腸上皮細胞膜の透過は困難であり、その腸管吸収にはトランスポーターが関与することが知られている。しかしながら、水溶性ビタミンに分類されるビタミンB群及びビタミンCの中で、唯一、ビタミンB6のトランスポーターのみが未同定のままであり、大きな課題となっていた。本研究により、ピリドキシントランスポーターとしてPDXTが同定され、腸管吸収に関与していることが示唆された。本研究成果は、ピリドキシンの腸管吸収機構の解明を進展させ、腸管からの十分な吸収の確保ないし吸収不足に起因する欠乏症の回避等に役立つものである。
|