乳癌は適切な治療により予後の延長が期待できる癌種である。しかしながら、トリプルネガティブ乳癌 (TNBC) は乳癌の約20%を占め、予後不良なサブタイプである。そのため、抗がん剤の感受性を高める薬剤の標的分子や抗がん剤の効果を予測するバイオマーカの開発が切望されている。そこで我々は、TNBCにおけるHsp72のクライアントタンパク質が薬剤耐性に重要な役割を果たしているのではないかと仮説を立てた。 その結果、標的分子を同定したが、一貫した結果を得ることができなかった。以上より、Hsp72の発現プロファイルがHsp72クライアント蛋白質が薬剤感受性に影響するかどうかを規定している可能性が示唆された。
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