研究課題
若手研究
がん薬物治療として、上皮成長因子受容体(Epidermal Growth Factor Receptor:EGFR)を標的とする抗EGFR抗体薬を初めて使用する大腸がん患者を対象として、皮膚状態(経皮水分蒸散量)の定量的評価を行い、抗EGFR抗体薬に起因する皮膚状態の変化と皮膚障害との関連性について、前方視的に検討を行った。その結果、抗EGFR抗体薬の投与開始時に身長や体重が大きい患者、あるいは投与2週目に経皮水分蒸散量が高い患者では皮膚障害が重篤化する可能性が示唆された。
医療薬学
本研究の結果から、抗EGFR抗体薬の投与開始時に身長や体重が大きい患者では保湿剤やステロイド軟膏を予防的に使用する等、早期からの対処が可能になる。また、投与2週目に経皮水分蒸散量が高い患者では、皮膚障害対策を強化することで、皮膚障害をコントロールして治療を継続することが出来るかもしれない。これらの結果が、患者QOLの向上、さらには生存率の延長に繋がる可能性がある。