令和4年度までは、予測モデル構築のための様々な統計学的手法・機会学習法についてを学び、実践可能な能力を身に付けるための研修を行ってきた。レセプトデータベースを扱う上での注意点や考え方についても、理解を深めてきたところである。 また、これまでに発表されている抗コリン作用負荷評価尺度に関する先行研究を調査した。数多くある抗コリン作用負荷評価尺度の作成過程やランク付けの基準等の相違を確認し、各々の抗コリン作用負荷評価尺度の特徴等を把握した。これらの情報を基に、抗コリン作用負荷評価尺度の中からどの尺度を予測するかを検討中である。 さらに、予測モデル構築に用いるべき特徴量についても検討を重ねてきた。 令和4年度は、昨年度より進めている化学構造を用いた抗コリン作用負荷評価尺度の予測モデルの構築に継続して取り組んだ。複数の予測モデルの構築手法を試しながら評価を行い、最も良いモデルを選択しているところである。 手法だけでなく、モデル構築に用いる特徴量についても検討を実施しているところである。その結果、予測モデルの改善に寄与すると考えられる新たな特徴量を見出した。こちらについては、現在論文投稿に向けて準備中である。今後はこの特徴量を加味した予測モデルを構築し検証していく。 今年度は9月から1年間海外へ研究留学に行くことが正式に決定したため、6月半ばをもって本研究は一時中断とし、来年度帰国した後の研究再開時に留学で得られた知見を活用したい。
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