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2021 年度 実施状況報告書

トロンボモジュリンαの臨床効果における個体差要因の解明と新規DIC治療戦略の確立

研究課題

研究課題/領域番号 19K16427
研究機関鈴鹿医療科学大学

研究代表者

榎屋 友幸  鈴鹿医療科学大学, 薬学部, 准教授 (60803260)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードトロンボモジュリンα / S100A8 / S100A9 / PLA2G2A
研究実績の概要

これまでの本研究の結果から、DIC患者の血漿中で、S100A9、PLA2G2A、LBPが相互作用している可能性を見出し、Native-PAGE法及び免疫沈降法にてS100A9のホモダイマー及びS100A8/S100A9のヘテロダイマーがTMαと相互作用していることを確認してきた。2021年度では、①S100A8/S100A9ヘテロダイマーに対するTMαの機能的影響についての検証及び②PLA2G2AとTMαの相互作用を検証することとした。
①S100A8/S100A9ヘテロダイマーに対するTMαの機能的影響
S100A8/S100A9ヘテロダイマーは、toll-like receptor 4 (TLR4)を介してTリンパ球などに作用し、炎症性サイトカインIL-6の分泌を促すことが報告されている。TMαがS100A8/S100A9ヘテロダイマーのIL-6分泌作用に対する抑制的な作用を有している可能性を考え、ヒト単球細胞株(THP-1)を用いて、IL-6分泌への影響を検証する実験を試みた。しかしながら、THP-1ではS100A8/S100A9ヘテロダイマーによるIL-6分泌を観察することができなかったため、他の実験にて検証する方向で検討している。
②PLA2G2AとTMαの相互作用の検証
TMαとPLA2G2Aとの直接的な相互作用を確認するために、native PAGEおよびfunctional ELISA assayを行った。さらに、PLA2G2AのPLA2活性に対するTMαの影響を解析した。Native PAGEでは、TMαとPLA2G2Aの相互作用によると考えられるシグナルが認められ、functional ELISA assayによっても相互作用が認められた。したがって、TMαはPLA2G2Aと直接的に相互作用していることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

新型コロナウイルス感染症の影響で、試薬の到着の遅れなどにより、進行速度の低下は否めないが、順調に実験が進められ、それに伴った成果が得られていると考える。

今後の研究の推進方策

S100A8/S100A9ヘテロダイマーに対するTMαの機能的影響をfunctional ELISA assayにて検証する予定である。具体的には、抗His-tag抗体を固相化したプレートを用いて、His-tag化されたTLR4によるfunctional ELISA assayを実施し、S100A8/S100A9ヘテロダイマーとTLR4への相互作用を確認する。その後、TMα共存下で、S100A8/S100A9ヘテロダイマーとTLR4の相互作用が抑制されるかどうかを検証する。

PLA2G2Aに対するTMαの機能的影響を検証する予定である。具体的には、PLA2G2AのPLA2活性に対するTMαの影響を解析する。またPLA2G2Aはインテグリン(ITG)αVβ3を刺激し、炎症反応を惹起することが知られているため、functional ELISA assayにより、ITGαVβ3とPLA2G2Aとの相互作用に対するTMαの影響を検証する。

LPSに対するTMαの抗炎症作用についての詳細な機序を検証することを目的に、LBPからCD14へのLPSの転移またはLPS-CD14複合体とTLR4との相互作用に対する抑制効果を検証する。具体的には、LBPからCD14へのLPSの転移については、LAL assayにより検証し、LPS-CD14複合体によるTLR4との相互作用に対する抑制効果の検証は、免疫沈降法により行う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 分泌型カルシウム依存性ホスホリリパーゼA2(PLA2G2A)との相互作用によるトロンボモジュリンαの新規抗炎症作用2021

    • 著者名/発表者名
      日比野 萌未、井田 愛梨、大西 亮、今井 寛、榎屋 友幸
    • 学会等名
      日本薬学会第142年会

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公開日: 2022-12-28  

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