研究課題
血液がん領域で使用されるベンダムスチンは、皮膚障害が発現しやすいことで知られている。本研究では、ベンダムスチンを使用した患者における皮膚障害の発現状況および性別・年齢が与える影響について検討した。独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)の医薬品副作用データベース(Japanese Adverse Drug Event Report database: JADER)を用いて、2004年4月から2019年11月までに報告されたベンダムスチンが被疑薬と思われる皮膚障害について解析した。さらに、ベンダムスチンに関連した皮膚障害と患者情報(年齢・性別)との関連を解析した。皮膚障害の有害事象シグナルとして、注入に伴う反応(ROR = 5.71)、帯状疱疹(ROR = 4.658)、過敏症(ROR = 3.27)、および発疹(ROR = 1.47)の順にベンダムスチン使用との関連の強さが示された。さらに発疹では性別(女性)と年齢(70歳未満)によって影響を受けることが示唆された。さらに、帯状疱疹では性別(男性)の影響を受けることが示された。ベンダムスチンは外来で施行される化学療法レジメンであるため、性別および年齢という基本的な患者背景情報にも意識を向け、外来受診日にご自宅での皮膚障害の発現有無を患者から聴取し、注意深く副作用モニタリングを行う必要がある。
2: おおむね順調に進展している
大きな問題なく進行中である。
本邦におけるリアルワールドデータを用いてベンダムスチンに関連した皮膚障害と患者情報(年齢・性別)との関連を解析した。今後は、米国食品医薬品局が運営する有害事象自発報告システム(AERS)を用いて、日米の比較に着目し研究を進めていく。
今年度は以前購入した統計解析ソフトが代用できたため。
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