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2019 年度 実施状況報告書

シクロオキシゲナーゼ2選択的阻害薬がシスプラチン起因性腎障害に与える影響の検討

研究課題

研究課題/領域番号 19K16437
研究機関北海道大学

研究代表者

齋藤 佳敬  北海道大学, 大学病院, 薬剤師 (00835001)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードシスプラチン / NSAIDs
研究実績の概要

本検討では以前の検討で得られた非ステロイド性抗炎症薬 (NSAIDs)の併用がシスプラチン (CDDP) 起因性腎障害 (CIN)出現のリスク因子であるという仮説の検証、ならびに作用機序が異なるNSAIDsが一律にCINに悪影響を及ぼすのかについて検討した。
まず、NSAIDsの併用がCINを悪化させる因子かをメタ解析を用いて検討した。検索データベースとしてPubMed、Web of Science、Google Scholarを用いた。選択基準に適合した7報をForrest plotで解析した結果、NSAIDs併用によるCIN増悪のオッズ比は1.9 (95%CI = 1.23-2.95、I2 = 44%) であった。本結果よりNSAIDsの併用がCINを悪化させることが明らかとなった。
基礎研究では正常ラット腎細胞株であるNRK-52E細胞を用い、17種のNSAIDsがCDDPによる細胞生存率低下に及ぼす影響をMTT assayで評価した。その結果、細胞障害スクリーニングにより、シクロオキシゲナーゼ(COX)非選択性NSAIDsであるフルルビプロフェンがCDDPによる細胞障害を最も悪化させること、また、COX-2選択的阻害薬であるセレコキシブが細胞障害を最も軽減させることが明らかとなった。一方で、COX-2選択的であるロフェコキシブが細胞障害に影響を与えなかったことから、NSAIDsのCOX選択性が腎障害に与える影響は少ないと考えられた。セレコキシブがCINに対して保護的に作用することが明らかとなったため、今後In vivoでの検討ならびにその機序について検討する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ほぼ予定通りに進捗している。臨床研究については2020/4に当院の自主臨床研究審査委員会の審査を受ける予定であり、その後対象施設を拡大する予定である。

今後の研究の推進方策

今後はin vitroで確認された事象のin vivoでの確認、セレコキシブによるCIN軽減機序について検討する予定である。
臨床研究は複数の施設に打診している段階であり、症例数は確保できる見込みである。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Non-steroidal Anti-inflammatory Drugs Are a Risk Factor for Cisplatin-induced Nephrotoxicity: A Meta-analysis of Retrospective Studies2020

    • 著者名/発表者名
      OKAMOTO KEISUKE、SAITO YOSHITAKA、NARUMI KATSUYA、FURUGEN AYAKO、ISEKI KEN、KOBAYASHI MASAKI
    • 雑誌名

      Anticancer Research

      巻: 40 ページ: 1747~1751

    • DOI

      10.21873/anticanres.14128

    • 査読あり
  • [学会発表] リバース・トランスレーショナルリサーチに基づいたシスプラチン起因性腎障害に及ぼすNSAIDsの影響の評価2019

    • 著者名/発表者名
      岡本敬介、齋藤佳敬、小林正紀、古堅彩子、鳴海克哉、井関健
    • 学会等名
      第29回日本医療薬学会年会

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公開日: 2021-01-27  

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