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2020 年度 実施状況報告書

シクロオキシゲナーゼ2選択的阻害薬がシスプラチン起因性腎障害に与える影響の検討

研究課題

研究課題/領域番号 19K16437
研究機関北海道大学

研究代表者

齋藤 佳敬  北海道大学, 大学病院, 薬剤師 (00835001)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードシスプラチン / NSAIDs / 腎障害
研究実績の概要

本検討では非ステロイド性抗炎症薬 (NSAIDs)が一律にシスプラチン(CDDP)起因性腎障害(CIN)に悪影響を及ぼすのかについて検討している。
正常ラット腎細胞株であるNRK-52E細胞を用いたMTT assayによる薬剤スクリーニングによりフルルビプロフェンがCDDPの細胞障害を増悪させ、セレコキシブが軽減させることが明らかとなった。続いてセレコキシブによる障害軽減機序について検討を行った。セレコキシブの添加により抗酸化マーカーであるHo-1, Sod1, Nrf2の上昇が認められ抗酸化作用が示されたが、superoxide scavengingには影響しないことが明らかとなった。また、オートファジーにセレコキシブが与える影響について検討した。その結果、セレコキシブの併用によりCDDPにより低下したAtg5, Atg7,およびLc3といったオートファジーマーカーの正常化が確認され、セレコキシブがオートファジーを介してCINを軽減することが示された。一方、腎臓内でのCDDPの輸送を担う薬物トランスポータの発現量はセレコキシブの併用により変動しなかった。
上記の結果からin vitroではセレコキシブが抗酸化作用およびオートファジーによりCINを軽減する可能性が示唆された。
また、in vivoにおいては5 mg/kgのCDDPをWistarラットに腹腔内投与しモデルラットを作成した。CDDPの投与5日目のKim-1値は有意に上昇したが、セレコキシブの投与がその上昇を正常化したことから、セレコキシブによるCIN軽減作用が確認された。一方、in vivoではSod1, Atg5量がセレコキシブ添加により変動しなかった。このことからin vitroとin vivoではセレコキシブによるCIN軽減機序が異なることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ほぼ予定通りに進捗している。臨床研究についてはCOVID-19による影響もあり他施設の協力が滞っている状況である。

今後の研究の推進方策

今後はin vivoでの検討をさらに進めるとともに、NSAIDsのCOX選択性に応じた抗腫瘍効果への影響についてin vitro,in vivoで検討予定である。臨床研究は複数の施設に打診している段階であり、症例数は確保できる見込みである。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Comparison of the nephroprotective effects of non-steroidal anti-inflammatory drugs on cisplatin-induced nephrotoxicity in vitro and in vivo2020

    • 著者名/発表者名
      Okamoto Keisuke、Saito Yoshitaka、Narumi Katsuya、Furugen Ayako、Iseki Ken、Kobayashi Masaki
    • 雑誌名

      European Journal of Pharmacology

      巻: 884 ページ: 173339~173339

    • DOI

      10.1016/j.ejphar.2020.173339

    • 査読あり / 国際共著

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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