本研究では抗悪性腫瘍薬シスプラチン(CDDP)起因性腎障害(CIN)に非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)が与える影響について検討した. まず,メタアナリシスによりNSAIDsの併用がCIN発症のリスク因子となることを明らかにした.続いて各NSAIDsがCDDPの細胞障害性に与える影響をin vivo,in vitroで検討し,セレコキシブによるCDDPの細胞障害軽減作用,フルルビプロフェンによる障害増強作用を解明した.さらに詳細な検討により,セレコキシブは酸化ストレスに対する抵抗性ならびにオートファジー活性の亢進作用で細胞障害を軽減し,これがセレコキシブ特有の作用であることを示した.
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