研究課題
若手研究
本研究において、緑膿菌に抗菌薬を曝露した際に変化するタンパク質を複数検出した。特に抗菌薬の感受性の違いによって発現量の変化率が10倍以上もしくは1/10以下と大きく異なるタンパク質は16種類検出され、これらのタンパク質は有力な効果判定のマーカー候補と考えられた。今後はこれらのマーカー候補タンパク質が、別の緑膿菌株における薬剤感受性との相関関係および血液中での検出感度を検討することで、緑膿菌に対する抗菌薬の効果判定を可能とするマーカーの確立が期待できる。
医療薬学
本研究では緑膿菌の抗菌薬に対する効果判定を可能とするマーカー候補を検出することができたが、このマーカーが患者の血液検体から検出可能なマーカーとして使用できるようになった場合、病院内で高頻度かつ耐性化が問題となっている緑膿菌による感染症の抗菌薬治療の迅速な効果判定が可能となると考えられる。それにより感染初期に多剤耐性菌を発見でき、適切な薬剤選択が可能となることから治療成績の向上が見込まれる。