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2020 年度 実施状況報告書

簡便・迅速な血中分子標的薬の濃度測定方法の開発とそれを用いた臨床研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K16442
研究機関新潟大学

研究代表者

らずびな おりが  新潟大学, 医歯学系, 特任助教 (60835312)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードダイヤモンドセンサ / レンバチニブ
研究実績の概要

本研究では、「簡便・迅速」に血中の濃度を測定する方法の開発を目的とする。本年度は、ダイヤモンドセンサを用いて、分子標的薬レンバチニブの血漿中濃度測定法の開発を実施した。分子標的薬レンバチニブは、甲状腺癌、肝細胞癌、胸腺癌の治療薬である。この薬物の有害事象として、高血圧や肝障害などが知られている。簡易的に血中の濃度を観察し、投与量を変化させる治療方法は、これら有害事象を減らし効果を最大限に引き上げる効果が期待される。本研究では、導電性ダイヤモンド電極を用いて電気化学的手法により測定を試みた。ダイヤモンド電極は、炭素や金のような従来の材料よりも安定した反応が得られる。このセンサーを用いて、異なる濃度のレンバチニブを含むラット血漿を測定した。私たちが開発した手順により、35秒で一連の測定を完了できた。サンプルの前処理を含む全ての工程に必要な時間は10分以内であった。これまでの研究におけるこのセンサーのレンバチニブ最低感度は1microMであった。しかし本年度の研究により、レンバチニブを300 nMまで低下することに成功し、これは有効治療域濃度内に収まるものであった。ここで述べた方法論は、個別化医療の進展だけでなく、治療薬モニタリングのコスト削減にも貢献する可能性がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

概ね順調に進んでいる。しかしながら、他の測定方法との比較する検証実験が、不十分である。

今後の研究の推進方策

センサの検証実験をすすめ、測定方法のさらなる改良・最適化を進める予定である。さらに、本年度計画している、市販のヒト血液を用いた実験や、動物実験を介して、測定方法の性能検証を実施する予定である。

次年度使用額が生じた理由

コロナの影響により計画進捗に若干の遅れが生じたために、消耗品消費量が少なくなり次年度仕様の繰越金が生じた。翌年は、研究を加速するため消耗品費として使用する計画である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] ダイヤモンドセンサを用いた分子標的薬パゾパニブの血漿濃度の迅速測定2020

    • 著者名/発表者名
      齋木 琢郎, 緒方 元気, 澤村 晴志朗, ラズビナ オリガ, 渡邊 航太, 加藤 里都, 浅井 開, 松本 吉史, 森山 雅人, 西條 康夫, 楠原 洋之, 栄長 泰明, 日比野 浩
    • 学会等名
      第71回日本薬理学会北部会
  • [学会発表] ダイヤモンドセンサを用いた電気化学測定による薬物血中濃度の迅速測定2020

    • 著者名/発表者名
      齋木 琢郎, 緒方 元気, 澤村 晴志朗, ラズビナ オリガ, 渡邊 航太, 加藤 里都, 浅井 開, 松本 吉史, 森山 雅人, 西條 康夫, 楠原 洋之, 栄長 泰明, 日比野 浩
    • 学会等名
      第67回中部日本生理学会
  • [学会発表] ダイヤモンドセンサを用いた電気化学測定に基づく、経口分子標的薬血漿中濃度の迅速・簡便な測定2020

    • 著者名/発表者名
      齋木 琢郎, 緒方 元気, 澤村 晴志朗, ラズビナ オリガ, 渡邊 航太, 加藤 里都, 浅井 開, 松本 吉史, 森山 雅人, 西條 康夫, 楠原 洋之, 栄長 泰明, 日比野 浩
    • 学会等名
      第143回日本薬理学会関東部会
  • [学会発表] Rapid Measurement of Plasma Concentration of Pazopanib, a Multi-Kinase Inhibitor, with Diamond Sensor2020

    • 著者名/発表者名
      齋木 琢郎, 緒方 元気, 澤村 晴志朗, ラズビナ オリガ, 渡邊 航太, 加藤 里都, 浅井 開, 松本 吉史, 森山 雅人, 楠原 洋之, 栄長 泰明, 西條 康夫, 日比野 浩
    • 学会等名
      第18回日本臨床腫瘍学会学術集会

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公開日: 2021-12-27  

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