研究課題
本研究は、生理的要因がin vivoでのorganic anion transporting polypeptides(OATP)1B活性におよぼす影響を血漿中のcoproporphyrin-I(CP-I)濃度を指標にして評価し、患者個々のOATP1B活性の予測に繋がるエビデンスを構築することを目的としている。最終年度の研究実績は以下のとおりである。1. 一般成人におけるOATP1B活性の評価:一般成人391名を対象に血漿中CP-I濃度とヘモグロビン値の関連を評価した結果、血漿中CP-I濃度とヘモグロビン値の間に有意な正の相関が認められた。しかし、OATP1B1*15アレルの有無との関連性を評価した結果、血漿中CP-I濃度をヘモグロビン値で補正する必要性は低いことが示唆された。2. 慢性腎臓病(CKD)患者におけるOATP1B活性の評価:63名のCKD患者を対象に血漿中CP-I濃度を測定した結果、CKD患者の血漿中CP-I濃度は一般成人に比べて高値であることが明らかになった。重回帰分析の結果、血漿中CP-I濃度に影響する有意な因子として、OATP1B1*15アレルの有無および血漿中3-carboxy-4-methyl-5-propyl-2-furanpropanoic acid(CMPF)濃度が抽出された。
すべて 2021
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Clin Pharmacol Ther
巻: 110 ページ: 1096-1105
10.1002/cpt.2375