アルブミンのような血液中における薬物結合タンパク質の研究は盛んに行われ、薬剤学のどの教科書にも記載されている。一方、細胞内における薬物結合タンパク質に関する研究はほとんど未開の領域である。脂肪酸結合タンパク質(fatty acid-binding protein, FABP)は細胞内において様々な薬物と結合し、その薬物動態に影響を与えていると考えられる。本研究では、FABPの薬物結合メカニズムを解き明かすためFABPの部位置換変異体を作製し、薬物結合解析を行った。また、FABPが薬物代謝に及ぼす影響を明らかにするため、FABP発現抑制実験系および代謝薬物の測定系の構築に取り組んだ。
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