肺内薬物量改善を目指した新規膜透過機構を基盤とするシプロフロキサシン(CPFX)粉末吸入製剤の開発を行った。CPFX非晶質製剤は、アミノ酸をコフォーマーとしてボール粉砕法により作製した。各種粉末製剤からの累積膜透過量に関しては、結晶製剤よりも非晶質製剤の方が高く、特にCPFX/ASP製剤が最も高値を示した。同様に、in vivo体内動態評価では、CPFX/ASPを経気道内投与後の肺内薬物量が投与直後で最も高くなり、かつ溶液製剤よりも血漿中薬物濃度に対し相対的に高い薬物量を示した。得られた結果は、新規機構を基盤とする粉末吸入製剤が肺内薬物量を効率的に増大させるのに有用であることを示している。
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