研究課題/領域番号 |
19K16473
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
仲田 浩規 金沢大学, 医学系, 講師 (80638304)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 精子形成 / 精細管 / 3D / 三次元再構築 / 精巣 / 精子形成障害 |
研究実績の概要 |
男性不妊症の多くは精子が作られる過程(精子形成)の障害であるが、原因はわかっていない。根本的な治療を可能にし、自然妊娠につなげるためには、精子形成障害の発生過程の全容を解明しなければならない。本研究では、申請者が考案した ”三次元再構築精巣” と ”三次元マッピング” という研究ツールと、正常な精子形成と精子形成障害が混在するモデル動物を用いることで、障害が精巣内のどの場所から、どのような変化として始まり、どのように進展して いくかを明らかにしようとした。 正常な精子形成と精子形成障害が1つの精巣内に混在するモデル動物として、精子形成障害を引き起こす抗癌剤(ブスルファン)投与モデルと老化モデルを作製した。さらに、障害の程度が異なるモデルとして、ブスルファンは体重あたり0、10、20、30 mgを投与し、老化モデルとして12、18、24、30ヶ月齢を各3例作製した。ブアン固定パラフィンブロックの連続切片を作製し、PAS染色を行なった。すべての切片をバーチャルスライドスキャナでデジタル化し、ImageJとPhotoshopを用いて画像処理を行い、Amira用いて精細管の三次元再構築を行った。再構築した精細管の中心線も同じソフトを用いて作製した。抗癌剤投与モデルに関し、ブスルファン投与量を増やすと、精巣体積と精細管の長さは有意に減少し、精子形成障害のある領域が増加した。精子形成障害の程度は管の順番、管の長さ、精巣網から近い場所とは関連がなく、分岐点から近い場所に障害が多い傾向があった。精巣の3次元部位により障害が最初におこりやすい部位、最後まで正常が残りやすい部位があるが、それは個体により一定しないことがわかった。現在、老化モデルでも同様の解析を行なっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
抗癌剤投与モデルの解析が完了した。老化モデルは現在解析中である。
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今後の研究の推進方策 |
老化モデルにおいて、作製した中心線に障害の程度・ステージ情報を入力し、障害がどの場所から、どのような変化として始まり、どのように進展していくかを三次元で引き続き明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
老化モデルの解析が完了せず、その解析に使用する消耗品費を繰り越した。老化モデルの解析に使用する計画である。
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