疼痛の発生メカニズム、および神経系における伝達機構は多様でありその全貌は明らかではない。本研究では極端な疼痛鈍麻の表現型を示すTGマウスの順遺伝学的解析により、原因遺伝子となるSNX25を探り当て、さらに機能解明を目指した。SNX25 KOマウスの2ヶ月齢では、熱刺激に対する痛み行動に変化はないが、機械刺激および化学刺激に対して鈍麻の表現型を示した。しかし、6-8カ月齢では熱刺激に対する痛み行動も減弱することが明らかとなった。熱刺激、機械刺激および化学刺激に対する疼痛発生機序にも時期特異的な違いがあり、その制御因子としてSNX25およびその下流因子が関与していることを示唆する知見が得られた。
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