頚動脈小体における神経伝達物質ATPの開口放出に関わる小胞型ヌクレオチド輸送体(VNUT)の発現と局在を検索した。RT-PCRによって頚動脈小体においてVNUTのmRNA発現が認められた。免疫組織化学では、約23%の化学受容細胞にVNUT陽性反応が認められた。VNUT陽性反応は、P2X3型ATP受容体を発現する感覚神経終末に取り囲まれる化学受容細胞集団に限局していた。以上の結果から、VNUTは感覚神経終末が選択的に分布する化学受容細胞集団に限局することが明らかとなった。VNUTを有する化学受容細胞が特異的にATPを小胞分泌し、頚動脈小体から感覚神経終末へ低酸素の情報を伝達している可能性がある。
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