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2020 年度 研究成果報告書

アデノ随伴ウイルスを用いた心臓特異的遺伝子抑制による心筋細胞成熟化因子の同定

研究課題

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研究課題/領域番号 19K16488
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分48020:生理学関連
研究機関信州大学

研究代表者

川岸 裕幸  信州大学, 先鋭領域融合研究群バイオメディカル研究所, 助教 (30819082)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2021-03-31
キーワード心筋細胞 / 分裂増殖 / gp130 / 新生児
研究成果の概要

哺乳類の心筋細胞は、生後直後では未成熟な状態にある。マウスの場合、生後一週間程度のみ、生理的な細胞分裂が生じるが、心臓の発達におけるその意義は不明である。研究代表者は、心筋細胞の生理的分裂におけるインターロイキン-6ファミリーの受容体gp130の役割について解析を行った。薬理学的、遺伝学的にgp130を抑制したところ、左心室の心筋細胞の分裂増殖が抑制された。そのようなマウスでは、左心室の心筋細胞総数が有意に減少しており、心収縮力も低下していた。したがって、生後の心筋細胞の生理的分裂増殖は、正常な心臓発達に重要であることが判明し、gp130シグナルがその制御機構の一つであることを明らかにした。

自由記述の分野

分子薬理学

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究では、哺乳類の生後に起こる心筋細胞の表現型変化について研究を行い、生理的分裂増殖におけるgp130シグナルの役割を明らかにした。近年、成人においても心筋細胞はわずかながら分裂増殖していることが知られており、この分裂増殖能の制御は心筋再生医療における重要な知見であると考えられる。また、乳幼児期の心筋細胞分裂を阻害すると、心機能の低下が引き起こされることを明らかにした。これは、たとえば乳幼児期に抗腫瘍薬治療を受けた患者では心筋細胞の分裂増殖が阻害されることで将来の心機能が低下する(心筋障害)という懸念を示しており、小児がんサバイバーにとって循環器領域のフォローアップの重要性が改めて示された。

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公開日: 2022-01-27  

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