運動神経と筋肉間のシナプスである神経筋接合部における異常により、重症筋無力症という疾患が生じる。神経筋接合部では、運動神経からアセチルコリンが放出され、筋肉にあるアセチルコリン受容体が受け取ることで情報が伝えられ、正常な筋肉運動を行うことができる。自己免疫疾患である重症筋無力症患者は、自己抗体がアセチルコリン受容体を攻撃してしまうことにより、シナプス機能が損なわれ、その結果筋力低下等の異常が生じる疾患である。今までは免疫を抑制する方向で治療や研究が行われてきたが、まったく逆の発想で免疫に攻撃されない受容体を遺伝子導入することで治療法を新たに提案するための基礎研究を行った。
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