本研究は、脳リンパ管と記憶の関係性に対しシナプス-細胞-脳波という異なる階層の相互作用からアプローチするものである。現時点では例数が十分ではないものの、リンパ管の結紮やリンパ管新生の阻害が記憶の回路基盤に及ぼす影響を各階層において発見しており、今後それらをつなぐことで、脳-免疫連関の実体や記憶のメカニズムの解明に繋がることが期待される。 本研究を発展させることにより、脳免疫連関が記憶に及ぼす影響を明らかになれば、記憶研究に対し新たな視点を提供することができる。記憶メカニズムの解明だけでなく、記憶障害の治療を目指す上でも重要な知見になると期待される。
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