近年、抗PD-1抗体によるがんの治療が注目を集めている。しかし、PD-1がTCRシグナルで誘導される遺伝子発現に及ぼす影響の詳細は分かっていなかった。これまでの研究により、PD-1によって発現が抑制されやすい遺伝子とされにくい遺伝子が存在することを明らかにしてきたが、その詳細なメカニズムは不明であった。 本研究により、PD-1による抑制を受けやすい遺伝子はクロマチンの状態に特徴があることが分かった。すなわち、T細胞の状態によってPD-1の影響が異なることが示唆された。PD-1を標的とした治療を行う際にクロマチンの状態を変化させることで、治療効果の増強や副作用の軽減が可能になると期待される。
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