研究実績の概要 |
令和元年度は研究計画に基づいて行い研究を遂行し下記の結果を得た。 ①日本人集団を用いたImmunoArrayによる免疫関連遺伝子領域の高密度遺伝子解析 本解析では、日本人患者700例、日本人健常者1,000例を対象とする。ゲノム全域に渡って免疫関連遺伝子領域の一塩基多型(SNP)を網羅するイルミナ社のImmunoArray(約25万SNPs)を用いて免疫関連遺伝子領域の高密度なSNPジェノタイピングを実行した。 本アッセイはイルミナ社のプロトコルに準拠して遂行した。ジェノタイプデータのquality controlおよび統計学的解析にはGolden Helix社のSVSを用いて行った。対象となるSNPの網羅的な遺伝子関連解析を行ったところ複数の領域でゲノムワイドレベルの疾患感受性を示した。 ②日本人集団とトルコ人集団を対象とした免疫関連遺伝子領域の網羅的メタ解析 我々はトルコ人集団(患者1,900例、健常者1,779例)を対象としたImmunochipによる遺伝子解析研究を既に報告している(Takeuchi, et al., Nat Genet 2017;49:438-43.)。本研究では、「①で得られる日本人集団の結果」と「取得済みのトルコ人集団の結果」を統合した免疫関連遺伝子領域のメタ解析を実行した。本メタ解析により、統計的検出力が飛躍的に増大し、人種を超えてベーチェット病と相関する免疫関連遺伝子領域内の新規遺伝子多型を複数同定した。
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