本研究結果からTSC1/2のスプライシングバリアントには組織間や個体間で大きな多様性があり、それがTSC遺伝子の機能並びに疾患の重症度と深く結びついている可能性を見いだした。結節性硬化症は全身性の過誤腫病変を主とする遺伝性疾患であるが、その症状の現れ方や重症度には大きな個人差がある。一般的に遺伝子の機能はその発現量とタンパクの機能によって評価されるが、どのようなスプライシングバリアントがどのような割合で発現しているかも遺伝子機能を見る上で重要な情報となる。iPS細胞を用いた機能解析により、TSC1/2の新しい機能制御機構の解析、ならびに疾患の重症度や予後の予測に寄与できることが期待できる。
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