研究課題/領域番号 |
19K16531
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49010:病態医化学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
陳 震 北海道大学, 保健科学研究院, 講師 (60802634)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | oxidative stress / oxidized lipids / lipid hydroperoxides / lipidomics / plasmalogen / antioxidant / LC/MS / PC12 neuronal cells |
研究成果の概要 |
本研究では、酸化ストレスを与える神経細胞(ADモデル神経細胞)を対象に、未酸化脂質や過酸化脂質をLC/MSで同定し、未酸化・過酸化脂質の定性・定量評価とADモデル細胞の酸化ストレスの関係を調べた。酸化剤であるH2O2濃度を増やすことで酸化ストレスを上昇させ、細胞の形態が変化し、細胞内の活性酸素種が増加した。それと伴い、機能性脂質(プラズマローゲンとカルジオリピン等)の量が有意に減したが、一方、過酸化脂質が蓄積され、有意な増加を示した。これらの変動は脂質代謝の障害を引き起こし、酸化ストレスによる細胞損傷を示唆した。ADモデル細胞に脂質代謝の障害を起こし、過酸化脂質と酸化ストレス依存性を示唆した。
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自由記述の分野 |
Analytical chemistry
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ADは世界中で深刻な社会問題となり、ADのメカニズムに関する研究は人類の健康増進に貢献できる。本研究では、LC/MSによる確立されたリピドミクス分析方法を用いて、ADモデル神経細胞を対象に、病態による神経細胞の変化と酸化ストレスにおける過酸化脂質の量の変動の関連を研究した。酸化ストレスに受けた神経細胞内では未酸化脂質や過酸化脂質の網羅的に定性と定量をすることで、ADに関連する脂質代謝異常として分子レベルの病理メカニズムの解明が期待される。また、脂質の定性・定量評価を用い、ADに罹患する潜在的なリスクの予測や診断、及び薬物治療効果の評価に有用な指標になると考えられる。
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