本研究の成果により、パラクライン因子や細胞間相互作用を加味したヒトNASHにおける肝炎や線維化に関する病態進展の一端が細胞・分子レベルで解明される。将来的に、臨床病態への外挿性が担保されたオルガノイドスクリーニング基盤を通じて、本研究で見出された因子を標的とする治療有効性の高いシーズ化合物の導出が期待される。ヒトiPS細胞由来オルガノイドモデルを活用することで、環境要因等の交絡因子を排除した形で患者固有の病態再現や治療標的の導出、バイオマーカー開発を進める戦略は、肝臓以外の肺や腎臓などの重要臓器の線維症研究にも大きな波及効果を生み出すと考えられる。
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