本研究では、希少遺伝性疾患である進行性骨化性線維異形成症(FOP)の骨化巣出現前の発病初期にフレア・アップと呼ぶ皮下軟組織腫張現象のメカニズム、及びそれを抑制する方法の解明を行なった。患者由来iPS細胞からin vitro再現系を構築し、スクリーニングよりFOP 細胞のみが過剰に反応する新規リガンド A を同定した。その上、リガンド Aの投与が FOP モデルマウスの筋肉に局在する線維性細胞の増殖を促進し、異所性骨化に導くことを見出した。今回の成果はこれまでほぼ研究されていないフレア・アップが起こる分子メカニズムの解明、および治療法の開発に繋ると期待できる。
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