膵β細胞においてインスリン生合成機構に関与する小胞体Ca2+チャネルである2型リアノジン受容体(RyR2)には,exon 75を含む「心筋型」とexon 75を欠く「膵β細胞型」の組織特異的スプライシングバリアントが存在する。その存在意義の解明を目指し,ヒト膵β細胞由来1.1B4細胞に対しRYR2遺伝子のintron 75の特殊なスプライシング開始配列「gg」を「gt」に変異させRyR2を「心筋型」に改変した結果,インスリン生合成機能の低下がみられた。また,改変マウスの膵島ではグルコース応答性が低下した。以上より,インスリン生合成機能において「膵β細胞型」RyR2が重要である可能性が示された。
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