乳癌細胞におけるHER2タンパク過剰発現は、予後因子、分子標的治療薬の標的となっており、非常に重要である。HER2タンパク過剰発現の診断は免疫組織化学法で癌細胞膜の染色強度により判定されるが、病理医の主観による定性的要素が大きく、染色強度を客観的、定量的に判断する方法はない。診断精度向上のために、染色強度に関する陽性コントロールの確立が望まれる。今回、高分子ゲル生成技術を応用した新規陽性コントロールの改良と、画像解析技術を融合したHER2タンパク過剰発現の定量的免疫組織化学診断の実用化を目指し開発を行った。
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