種々の腫瘍におけるがんゲノムが明らかとなり、非腫瘍部/正常組織においても、ゲノム異常がモザイク状に蓄積することが報告されつつあるが、未だ正常肺組織におけるDNAモザイク変異パターンを明らかにした報告は少ない。本研究では、特発性肺線維症と診断され、東京医科歯科大学医学部附属病院にて外科的肺切除を施行された症例のうち、疾患バイオリソースセンターに病理凍結組織バイオリソースが保管された症例を対象としたエクソーム解析を行うことで、正常肺組織DNAモザイク変異パターンを明らかにする。これにより、特発性肺線維症の疾患関連遺伝子を同定し、難治疾患である特発性肺線維症の克服を目指すととも に、密接な関係にある「老化・炎症・発癌」の病態解明にも、重要な情報を提供するものと期待できる。 2022年度は、研究者のその他の業務の多忙、及び研究計画の見直しが必要となり、研究計画に遅延が生じたため、研究期間を延長して研究を実施する予定である。
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