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2020 年度 実績報告書

DSBとDDRに着目した、潰瘍性大腸炎サーベイランスのためのバイオマーカーの開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K16553
研究機関新潟大学

研究代表者

谷 優佑  新潟大学, 医歯学系, 助教 (50835684)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2021-03-31
キーワード潰瘍性大腸炎 / 大腸癌 / DNA二重鎖切断 / DNA損傷応答
研究実績の概要

潰瘍性大腸炎は原因不明で慢性持続性の難治性炎症性腸疾患で、長期経過例では大腸癌が発生することがあり、炎症性発癌と呼ばれるが、その分子メカニズムは詳細には明らかになっていない。長期経過(罹患年数が7年以上)の潰瘍性大腸炎に対しては、炎症性発癌早期発見のための内視鏡的サーベイランスが必要とされているが、患者や医療経済的負担の軽減、サーベイランスの効率化のためには、その発癌リスクを予測するバイオマーカーの開発が必要である。我々はこれまで、(1) 潰瘍性大腸炎粘膜にはDNA二重鎖切断(DSB)が多く発生している事、(2) 発癌早期病変の発生や進展にDNA損傷応答(DDR)の破綻が関与していること、を明らかにしており、本研究ではDSBやDDRの破綻が発癌リスクを予測するのバイオマーカーとなりうるかについて検討した。その結果、(1) 炎症性発癌を伴う症例では伴わない症例よりもDSBが高頻度で発生していること、(2) 潰瘍性大腸炎の非腫瘍性粘膜では他の炎症性腸疾患と比較してDDRの破綻が高度にみられること、(3) DDRの破綻は、罹患年数が長くなるにつれて高度となることを見出した。また、(4) 直腸においては部位によるDDR破綻の程度にあまりばらつきがみられず、直腸生検標本でのDDRの検討がバイオマーカーとして再現性のあるものであることを確認した。今後は、直腸生検標本におけるDSB, DDRを検討し、これらが潰瘍性大腸炎における発癌を予測するバイオマーカーとなりうるか、引き続き検討する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] VII 空腸、回腸、盲腸、結腸、直腸(下) 腫瘍 大腸腫瘍 悪性腫瘍 大腸未分化型癌(低分化・印環細胞・粘液癌)2020

    • 著者名/発表者名
      谷優佑、味岡洋一、杉野英明
    • 雑誌名

      日本臨牀 消化管症候群(第3版) -その他の消化管疾患を含めて-

      巻: 別冊 ページ: 71-75

  • [雑誌論文] Rare Brain Metastasis From a Pancreatobiliary Subtype of Intraductal Papillary Mucinous Neoplasm2020

    • 著者名/発表者名
      Arao Yoshihisa、Kamimura Kenya、Ikemi Masatoshi、Hayashi Kazunao、Takaki Masayuki、Takahashi Shunsaku、Seino Satoshi、Abe Hiroyuki、Tsuboguchi Shintaro、Otsu Yutaka、Sanpei Kazuhiro、Kohisa Junji、Kondo Shuhei、Tani Yusuke、Ito Junko、Toyoshima Yasuko、Kakita Akiyoshi、Ajioka Yoichi、Terai Shuji
    • 雑誌名

      Pancreas

      巻: 49 ページ: e8~e11

    • DOI

      10.1097/MPA.0000000000001450

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [図書] 大腸癌2021

    • 著者名/発表者名
      八尾隆史、菅井 有
    • 総ページ数
      304
    • 出版者
      文光堂
    • ISBN
      9784830622588

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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