研究実績の概要 |
研究計画に従い、正常大脳組織における血管イメージング条件を元に、腫瘍組織の随伴血管をイメージングするための条件検討を行った。組織検体としては、神経膠腫(Glioblastoma, WHO grade IV)のパラフィンブロック包埋組織を脱パラフィンして用い、透明化試薬の種類や処理時間、蛍光プローブの種類や染色条件について最適化を行った。条件検討の結果、検討した条件の中では、CUBIC-L, CUBIC-R+を用いて透明化処理を行い、Tomato-lectinを用いて染色した場合に、最も良好に腫瘍随伴血管のイメージングできた。この条件のイメージングにおいて、腫瘍随伴血管の走行や分布の不整さについて、明瞭にイメージングすることができた。 また、別の題材疾患である特発性心筋症についても条件検討を行った。その結果、CUBIC-HL, CUBIC-R+を用いて透明化処理を行い、SYTO16を用い染色した場合に最も、心筋細胞の走行について明瞭にイメージングできた。このイメージングにおいて、拡張型心筋症の心筋は心筋径が一定でなく、走行もやや錯綜していることが描出できた。
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