研究成果の概要 |
EGFR変異のある小型非浸潤性肺腺癌Adenocarcinoma in situ (AIS)と小型浸潤性肺腺癌の定量プロテオミクス解析を行いました。AISより小型浸潤性肺腺癌で有意に高発現していたタンパク質群についてウエスタンブロット解析により検証を行い、6つのタンパク質(CRABP2、NDRG1、DHCR24、AK4、PIP4K2C、IFITM3)の発現の有意差を確認することができました。肺腺癌の組織マイクロアレイの免疫組織化学染色を行ったところ、5つのタンパク質(CRABP2, NDRG1, DHCR24, AK4, IFITM3)の発現差が予後不良と有意に相関していました。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肺腺癌のドライバー遺伝子であるEGFR変異は前癌病変や予後のよい上皮内腺癌においても検出され、肺腺癌の悪性化にはEGFR変異以外の因子も関わっている可能性がある。小型肺腺癌のプロテオミクス解析からAISより小型浸潤性肺腺癌で発現が高く、肺腺癌多数症例で予後との相関がみられた5つのタンパク(CRABP2, NDRG1, DHCR24, AK4, IFITM3)が見出された。これらの5つのタンパクは、肺腺癌の悪性度に早期から関与する可能性がある。
|