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2019 年度 実施状況報告書

メトトレキサート関連リンパ増殖性疾患の病態解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K16586
研究機関岡山大学

研究代表者

祇園 由佳  岡山大学, 保健学研究科, 助教 (50832979)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードメトトレキサート関連リンパ増殖性疾患 / PD-L1 / MTX / 関節リウマチ
研究実績の概要

関節リウマチなどの自己免疫性疾患に対してメトトレキサート(MTX)治療中に発生するMTX関連リンパ増殖性疾患(MTX-LPD)が,近年注目されている。発症起因として,関節リウマチ自体による免疫賦活状態や,MTXなどの免疫抑制剤による免疫抑制などが原因と考えられているが,関節リウマチ自体がリンパ増殖性疾患のリスクであるため,MTX単独のリンパ増殖性疾患発症のリスクは明らかになっていない。しかし,数々の報告でMTX中止のみで完治する症例が存在することから,MTXがリンパ増殖性疾患の発症に関与していることが示唆されている。
本研究では,MTX治療前後において,フローサイトメトリー法を用いて末梢血液中のリンパ球サブセットの変動を解析と,MTX-LPD病変部位における免疫細胞の分布を免疫組織化学染色により検討した。これにより,MTX-LPD発症のリスク因子や予後因子の解明に繋がると考えた。
(1)末梢血液中のリンパ球サブセット解析
同意を得た関節リウマチ患者から検体を収集中である。フローサイトメトリーによる詳細な解析は2020年度に行う予定である。
(2)MTX-LPDの病変部位における免疫組織化学染色
MTX-LPDでは,MTX投与を中止すると病変が自然消褪する例が少なくない。しかし,ホジキンリンパ腫の組織像を呈するMTX-LPD症例では,MTX中止による病変縮小効果が得にくい傾向があることを我々は過去に報告してきた。そこで,その要因として腫瘍細胞がProgrammed cell Death - Ligand 1(PD-L1)を発現し,免疫チェック機構から回避している可能性を考え,解析を行った。その結果,PD-L1を高発現している症例ではMTX投与を中止しても,病変が縮小せず増悪し,化学療法が必要な例が多いことが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

MTX-LPDの病変部における免疫組織化学染色の検討は当初予定していた解析をすべて終え,その結果,ホジキンリンパ腫の像を呈するMTX-LPDがMTX投与中止のみで自然消褪に至らない要因として,腫瘍細胞のPD-L1発現が関与している可能性が示唆された。

今後の研究の推進方策

今後は,末梢血液中のリンパ球サブセット解析について,同意を得た患者からの検体を収集し,リンパ球の変動解析を詳細に行う予定である。
これらの成果は、本研究期間内に然るべき学術英文誌に報告することを考えている。

次年度使用額が生じた理由

当初予定していたよりもスムーズに研究が進行し,また,抗体試薬などの一部が研究実施施設で賄え,余計な試薬費等を節約することが出来たため、次年度使用額が生じたが、次年度実施する解析及び成果発表に係る費用に充当する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] A review of EBV-positive mucocutaneous ulcers focusing on clinical and pathological aspects2019

    • 著者名/発表者名
      Ikeda Tomoka、Gion Yuka、Yoshino Tadashi、Sato Yasuharu
    • 雑誌名

      Journal of Clinical and Experimental Hematopathology

      巻: 59 ページ: 64~71

    • DOI

      10.3960/jslrt.18039

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2021-01-27  

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