研究課題/領域番号 |
19K16587
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
ムサジャノワ ジャンナ 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 助教 (30770432)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | Papillary thyroid cancer / Ki-67 expression / TERT-promoter mutations / BRAF mutation |
研究成果の概要 |
甲状腺乳頭癌は予後良好な疾患であるが、一部の症例に再発、転移をきたすため、その症例の拾い上げが重要である。Ki-67発現やTERT promoter変異が予後を規定する有力な因子として報告された。本研究は342例の切除乳頭癌を対象に、これらの分子マーカーと臨床病理学的因子、特に形態学的形質との関係を明らかにした。結果として BRAF変異とTERT promoter変異との重変異の頻度はKi-67標識率の高値、高細胞成分、desmoplasiaを背景とするhobnail成分、好酸性細胞成分を伴う乳頭癌で有意に高率であることが判明した。これらは組織学的予後不良因子であることを示唆している。
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自由記述の分野 |
人体病理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
甲状腺癌の90%を占める乳頭癌の大部分は予後良好であり、甲状腺癌の場合、早期発見と早期治療は予後の改善に寄与しないことが明らかになっている。甲状腺癌の過剰診断や過剰治療(切除や放射性ヨード内照射療法)を抑制し、最適化するためには予後不良指標の同定が必要である。現在、Ki-67標識率やBRAF変異およびTERT promoter変異が予後を規定する有力な因子として報告されているが、一般的な病理検査室で遺伝子変異解析を日常的に行うことは困難である。本研究成果はこれらの分子異常をエヒデンスに、乳頭癌の組織像を特徴付け、日常の甲状腺がん病理診断学に汎用できる高悪性度の組織像を明らかにした。
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