<研究の概要> 難治性筋疾患の多くは、未だ最適な疾患モデルが存在せず病態解明が不十分なため治療方法の開発が遅れている。本研究では、生体に近い構造・機能を有する3次元成熟骨格筋細胞モデルを作製することを目的とし、ヒトiPS細胞から分化誘導した未成熟な骨格筋細胞を用い、以下の方法でin vitroで成熟化を促進する。(A)特殊ディッシュで細胞の配向を揃えた骨格筋細胞シートを作製し、シートを複数枚積層して3次元的に細胞融合を促進させる、(B)電気刺激(EPS)により筋細胞に運動負荷を与える、(C)骨格筋近隣細胞の細胞シート(神経・血管内皮・間葉系幹細胞)と共培養し周辺ニッチ構造を構築する、(D)還流培養により血管内皮細胞からの血管網構築を促進させ、骨格筋組織をさらに成熟化させる。 3次元成熟骨格筋細胞モデルの作製に成功すれば、将来患者自身の細胞に由来する疾患特異的iPS細胞へ本技術を応用することで、直接病態解明が可能となり、様々な希少難治性筋疾患に対する新規治療法開発に大きく貢献する。
<研究実績> 本研究テーマは申請者が京都大学を退職したため中止となり、報告する実績はない。
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