加齢に伴う血液脳関門(BBB)の機能低下は脳血管疾患だけでなく神経変性疾患の要因にもなりうるが、BBBの機能低下の詳細なメカニズムは十分に明らかにされていない。本研究課題では、BBBの機能低下の原因として血管内皮細胞の細胞老化現象に着目し解析を進めた。脳血管内皮細胞の遺伝子発現等について若齢マウスと高齢マウスとを比較したが、細胞老化の観点では両者に大きな違いが見られなかった。一方で高齢マウスの脳血管内皮細胞では炎症性が亢進しており、本研究では培養細胞レベルで炎症を抑制しうる血管内皮細胞特異的な遺伝子の候補を同定することができた。今後はマウスの個体レベルでも炎症を制御しうるのか否か調べていく。
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