脳梗塞発症後2週間以上を経過したマウスの脳内には急性期よりもはるかに多くのT細胞が浸潤しており、特に制御性T細胞 (Treg) が大量に蓄積した。また脳Tregは脳特異的な性質も示していた。多発性硬化症モデルやアルツハイマーモデルマウスにおいても同様の性質を示すTregの存在を確認した。EAEモデルは脊髄と脳の両方に病態を形成するが、同個体でも脊髄と脳に存在するTregのフェノタイプは異なっており、脳に存在するTregは脳梗塞の脳内に浸潤したTregの特徴に近かった。これらの結果より、組織Tregは病態よりも局在する組織の環境によって性質を獲得している可能性が示唆された。
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