今後の研究の推進方策 |
これまで感染防御性免疫のエフェクター機構である T 細胞や NK 細胞などの感染細胞排除効果についてその重要性は示すことができたが,ウイルスの標的となる宿主側細胞(主に赤芽球)の解析は十分に行えていない.これまでの研究から,NK 細胞は活性化受容体 NKG2D を利用して感染細胞を認識し,排除することが明らかとなっている.つまり感染防御性免疫のエフェクター機構が FV 感染細胞 (赤芽球細胞) の NKG2D リガンド (RAE-1, H60, MULT-1) の発現を上昇させ,活性化 NK 細胞の標的性を高めている可能性がある.そこで,感染防御性マウスの FV 感染後 2 日目に IL-21 を投与する.感染 3 日目に anti-asialoGM1抗体で NK 細胞を枯渇させ,感染から 5 日目に骨髄と脾臓から赤芽球細胞を分離して,RAE-1, H60, MULT-1 の発現をフローサイトメトリーで検出する.これにより,感染防御性免疫のエフェクター要因が標的細胞(赤芽球)の NK 細胞に対する感受性を高めていることの証明を試みる.
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