研究課題/領域番号 |
19K16637
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中野 哲志 京都大学, 医学研究科, 助教 (30794987)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 肺炎球菌 / カルバペネム耐性 / マクロライド耐性 / ペニシリン結合タンパク / PBPタイピング |
研究成果の概要 |
肺炎球菌は菌血症や髄膜炎といった予後が悪い感染症を引き起こすため、ワクチンが乳幼児に定期接種されている。しかし同ワクチンの定期接種化後、ワクチンが効かない型の肺炎球菌や抗菌薬に耐性を示す肺炎球菌が増加した。本研究では肺炎球菌の遺伝子配列を網羅的に解読することにより、上記のような表現形の変化がどのようにして起きたかを明らかにした。カルバペネム系抗菌薬に対する耐性は主にpbp1a領域の変化によって発生していたが、一部異なる機構による耐性メカニズムもあった。またマクロライド耐性は様々なタイプのトランスポゾンが挿入されることにより引き起こされていた。
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自由記述の分野 |
臨床微生物学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は全ゲノム解析を用いて、肺炎球菌ワクチン導入後にどのようなゲノムを持つ肺炎球菌が増加したかを、抗菌薬耐性やワクチン無効の莢膜型の観点から明らかにする研究である。肺炎球菌は遺伝子組み替えを起こしやすい菌であることが知られている。これにより容易にワクチンが効果を示さなくなる。現在肺炎球菌ワクチン開発は莢膜型の疫学情報に基づいて開発が行われている。ゲノムの組み替えのメカニズムや菌の伝播様式が明らかになれば、より効果的なワクチン開発が可能となる。本研究はそのゲノムの組み替えメカニズムや地域をまたいだ伝播様式を明らかにするための基礎的な研究である。
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