研究課題
若手研究
本研究ではNTM同定のためのMLSTデータベースおよびそれを用いた同定ソフトウェアであるmlstverseを開発した.これにより同日中に菌種同定を行うとともに,クラリスロマイシンなどのNTM症治療のキードラッグに対する薬剤耐性予測が行えるようになった.また核酸抽出方法及び増幅手法の最適化を行うことで,喀痰検体の取得から数日でのNTMの網羅的同定を実現することができた.
ゲノミクス
NTM症は難治性の呼吸器疾患の総称であり,NTMはおよそ200種が知られ,亜種の違いにより異なる薬剤耐性を示す.そのため治療方針決定のためには亜種レベルの正確な同定が要求され,これまでの手法では正確な同定を行うことは困難であった.本研究ではこの同定を,正確かつ短期間で行う手法を確立した.これによりNTM症診断にかかる期間は従来の4-8週間から数日に短縮されるため,より早期の確定診断・治療開始が可能となり,より良い治療方法の確立へ繋がることが期待される.