<病原体側因子の検証>劇症型溶連菌感染症における菌株の回収を進めているが、劇症型溶連菌感染症の罹患率が小児では高くなく、当院において入院症例は2022年度はなかった。他施設に依頼し劇症型溶連菌感染症の菌株を提供してもらった菌株に含まれるMGDG、DGDGを抽出した。抽出したそれらの脂質で末梢血単核球細胞を刺激してサイトカイン産生の確認を行ないそれぞれの菌株によるサイトカイン産生能を評価した。同時に、菌株より抽出した全脂質よりMGDG、DGDGを精製し、質量分析法や核磁気共鳴法などによりアシル鎖長や二重結合の有無などを同定する予定であったが、新たな菌株の取得ができず脂質の精製と同定には至らなかった。 <宿主側因子の検証>2022年度の劇症型溶連菌感染症の症例がいなかったため、宿主の遺伝子変異、特にMincleの遺伝子変異の検索は今の所できていない。
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