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2021 年度 実施状況報告書

トランスロケーションマウスモデルを用いたカンジダ属の病原性評価

研究課題

研究課題/領域番号 19K16645
研究機関長崎大学

研究代表者

平山 達朗  長崎大学, 薬学部, 准教授 (40836269)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード腸管 / 定着 / candida albicans / エルゴステロール
研究実績の概要

侵襲性カンジダ症の治療にはキャンディン系抗真菌薬が使用されることが多いが、キャンディン系抗真菌薬に対して耐性を有する株が臨床で分離されることがある。臨床で使用される抗真菌薬は種類が限られており、キャンディン耐性株の治療には難渋することが多い。in vitroで耐性機序を調べた報告はあるもののin vivoでの報告はほとんどなく、我々は昨年度までに作成できたトランスロケーションモデルを用いて、in vivoでカンジダをキャンディンに暴露することにより耐性株を作成し、その耐性機序を解明することを目的として研究を進めている。
薬剤耐性を獲得しやすいCandida glabrataやCandida aurisをマウスの腸管へ定着させ、キャンディン系抗真菌薬であるミカファンギンやキャスポファンギンをマウスに連日投与すると、一時便中の生菌数は減少するものの、その後再増加することが分かった。この傾向は菌種間や株間でも違いがみられ、Candida albicansでは分離菌は少なく、C. glabrataやC. aurisでは多い傾向が見られた。再増加した際の菌の薬剤感受性を調べるとこれらの薬剤に耐性になっている株が分離され、腸管が薬剤耐性菌のリザーバーになっていることが予想された。これら分離菌の中にはキャンディン系耐性に関わるFKS1遺伝子に変異を持つ株が複数得られた。これまで報告のない箇所への変異も認められた。現在当該変異が薬剤耐性に関与するか否かについてゲノム編集を行い検証する研究を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当該年度もCOVID-19流行のため診療に割くエフォートが多くなり、予定していた全ての病原性因子の評価には至らなかった。研究期間を延長して今年度実施できなかった計画を進めていく予定である。

今後の研究の推進方策

前述の薬剤耐性に関与するとされる新規のFKS1遺伝子変異についてゲノム編集を行い、耐性に関与するかを調べる予定である。また、病原性に関与するとされるALS1やSAP famikyといった遺伝子の欠損株を作成し、トランスロケーションモデルでの病原性を評価する研究を計画している。

次年度使用額が生じた理由

COVID-19の流行のため予定通りには研究が進まず、物品等の購入が少なかったため次年度使用が生じた。次年度は病原因子の遺伝子欠損株を作成するためのゲノム編集ツールや酵素類などに助成金を使用する予定である。

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公開日: 2022-12-28  

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