研究課題
本研究は結核菌の潜伏を阻害する新規治療法の開発を最終目標に、結核菌由来メンブレンヴェシクル(MV)による宿主細胞内潜伏の機序解明を行う。これまでの予備的検討で、メンブレンヴェシクルを構成するタンパク質を網羅的解析により同定している。同定されたタンパク質の中から、MV産生制御に関わる分子を同定するため、各分子の発現抑制株をCRISPR interferenceで作成した。各株から産生されるMV量を定量することでMV産生制御に関わる分子の同定と、高産生・低産生株の作成を試みた。速育成抗酸菌のMycobacterium smegmatisではいくつかの分子がMVの産生に関わることがわかり、高産生・低産生株の作成に成功した。しかし、同様の手法を用いて、ヒト型結核菌に近縁のウシ型結核菌(Mycobacterium bovis)弱毒株BCGでのMV高産生・低産生の菌株の作成を試みたが、低産生株の作成ができなかった。宿主への感染実験によるMVの機能解析の検討を当初の計画に予定していたが、上記の理由のため実施できなかった。代替する機能解析実験として、宿主細胞へMVを用いた刺激を行い、遺伝子発現・タンパク質発現解析を実施中である。
4: 遅れている
BCGでのMV高産生・低産生株の作成が進んでおらず、MVの機能解析の検討など全体の計画に遅延が出てしまった。
MV高産生・低産生株の作成は引き続き行いつつ、MVを用いた宿主細胞・動物への刺激実験を予定する。
実験に使用する組換え菌株の作成に難航したため。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (2件)
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