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インフルエンザウイルスのリボ核タンパク質複合体(RNP)は、ウイルスゲノムRNAの転写・複製の最小機能単位であり、ウイルス増殖において中心的な役割を担う。ウイルス増殖機構の理解や抗ウイルス薬の開発には、この複合体の詳細な構造を明らかにすることが重要であるが、いまだ不明である。本研究では、クライオ電子顕微鏡像法および単粒子画像解析法により、インフルエンザウイルス・リボ核タンパク質複合体 (RNP) の形成および機能の構造基盤を明らかにすることを目的とした。本年度は、野生型および組換えRNPを用いてクライオ電子顕微鏡単粒子解析法で高分解能の分子構造明らかにすることを目指したが、分子およびその高次の三次元構造（螺旋あるいはリング構造）の概形は得られるが、分子が有する柔軟性および不均一性のため解析に困難が伴い、未だ構造決定には至っていない。また、ボルタ位相板を用いたクライオ電子顕微鏡観察によりウイルスRNA合成反応中のウイルスRNP構造を解析した。その結果、分子上でRNAを合成している2種類のウイルスRNP中間体構造を捉えることに成功した。
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