本研究課題により、長年明らかでなかったHBVの細胞内侵入機構の一端を明らかにした。EGFRはHBV感染に必須な宿主因子であり、その感染制御機構を同定した。EGFRはこれまでに抗がん剤の標的として着目されてきたことにより、多くの阻害剤が報告されており、これらのうち少なくともゲフィチニブはEGFRの機能を阻害することでHBV感染を減少させることを細胞培養レベルで明らかにした。本研究で得た知見はHBV感染分子機構の理解を推し進めたのみならず、新しいHBV感染治療戦略を提案するもので、 EGFRが新規HBV治療薬の標的となり得る可能性を示唆した。
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